Le jour de St. Valentine

2月13日の放課後のこと…

「んー…父さんにはクッキーにしよう。兄ちゃんとジンはガトーショコラ…零は…何がいいかな」
長い髪を一つに纏めて、エプロンを付けてキッチンに立っているのは有栖。
一つ一つ丁寧に且つ手際良くチョコを一口大に丸めバットにならべる……クラスメイトとクラブに配る分のトリュフ作成中ということだ。

「…有栖、お前なにやってるの」
「……！は、入ってきちゃダメっ！！」

甘いチョコレートの匂いに釣られてきたのか…兄がキッチンの入口に立っていた。

「ちょ、おまっ…！チョコ付くから押すなって、分かったからっ」

チョコだらけの両手を、一応はつかないように気を使ってるのだろうが…
体全体でグイグイ押されて追い出されてしまう。

(ああ、そっか。明日だったな、バレンタインデー……楽しみだ)

頬に付いたチョコを舐め、兄は部屋へ戻るのだった…甘い贈り物を楽しみにしつつ

＊＊＊＊＊＊＊

「よしっ、こんなもんかな♪」

テーブルには大量のトリュフにガナッシュチョコ、チョコとプレーンのクッキー、一人分サイズのガトーショコラが2つ、それからフォンダンショコラ…。
どれも丁寧に作られている。
有栖の特技の一つだけある

(後はラッピングをして……みんなの口に合えばいいな)

そのラッピングが全て終わったのは夜も更けた頃だったのだ…

今日は2月14日バレンタインデー
大切なみんなへ、日頃の感謝と共に…