Rôles principaux du clair de lune.

探して、探し続けて…ようやく見つけた

「れ、零が…みつか、った…？」

エクスブレインの言葉を反復する。
耳が音を拾い、感覚神経を経由して脳へ
言葉の意味を理解するまで数秒。
それから出た言葉がこれだ

首にかけたシルバーのネックレスを包むように握る。
羽ばたいた鷲の飾りのついたそれは、17歳の誕生日に彼がくれた大切なもの。


彼の闇堕ちの報告を聞いてから最初の数日は、手当り次第にあちこち探し回った。
数日家に戻らなかったからだろうが、兄や皆に怒られた
あたりまえだけど、黙って待っているのは嫌だった。

ようやく落ち着いても、時間さえあればブレイズゲートに潜っては鍛錬を積んだ。
何かしていなければ、彼のことばかり思って何も手に付かない
寂しさ、不安、恐怖、怒り、悲しみ…
あらゆる感情に押しつぶされそうになるのを必死に耐えてた

ようやく、彼を迎えにいけるチャンスがきた
絶対に一緒にまた並んで歩くんだ…
まだまだやりたいこと、してあげたいこと…何一つしてない。
それに、彼と約束したもの。

一人にしない、ずっと一緒にいるって
それから、「ただいま」「おかえり」を言うって

エクスブレインはごくごく平坦な口調で言った。
「完全な六六六人衆に堕ちたとき、もはや手出しできない存在になってしまう筈です。そうなるようなら……黒夜零を殺して下さい」って。
そうはさせない、絶対に…！

スレイヤーカードからそっとだしたナイフの鞘をぐっと握る