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Nuit ne casser pas
じっとしているのは性に合わないと良く言ってるけど、あながち間違えじゃなかったかもしれない。


「はぁ…っ、はぁ…」

校舎を飛び出してからどれ位経ったのだろ。
学校に行ったのは午前中だったが…今、空は赤くなっている辺り、夕方なのだろう。

立ち止まって膝に手を当て、肩で息をする。
数時間走り続けて、探し続けた。
流石に能力を解放してはいるけど、疲れた…。
でも、諦めるわけにはいかない。
見つけないと、手を差し伸ばしてあげないと…。
言いたいこと何て山ほどある。
したい事も一杯ある。

「零…何処に、いるの…」

額の汗をグッと拭い、また走り出す。
愛しき人の名を何度も、何度も呼び続ける。
泣き出しそうなのをグッと堪え、名を呼び、辺りを見回し、気配を伺い、また走る。


また、数時間経っただろう。
月が見える…寒気がするほどに綺麗な光を降らせた月が。
風が吹けば、汗が蒸発して体が冷える。
でも、気にせずまた走る。

緑が多い公園へと辿りついた。
歩を緩め、息を整えようとしつつ、か細く呟くは恋人の名。

「…零……零っ」

少し歩いては周りを見て、また少し進んでの繰り返し。
辺りは人っ子一人いない。
まあ、夜中の公園だから当たり前である。

手当たり次第に探しても見つからないのは分かってる。バベルの鎖の事だって、理解してる。
でも、動いていないとどうにかなっちゃいそうで…
こんなにも自分は彼を心の拠り所にしていたんだって、改めて気付いた。

「零、何処にいるの…?どんな姿でもいい…出てきて、帰ろう?」

静かな夜闇に言の葉は飲み込まれる…。
頬を伝った雫は風に吹かれ霧散する。

ふと、茂みの向こうで音がした。
サッと右手を日本刀に添え、構える……が、気配も動きも感じない。
…警戒しつつも、近付いてみると
足元に見覚えのある鞘が落ちている。

「……零の?…ううん、まさか、ね…」

其の儘にしておくのも、何だかいやでそっと持ち帰る事にした。
風が枝を揺らす。
空を見上げれば月が静かに輝いていた。
彼は何処にいるのだろう。魂の状態でダークネスに抗う辛さを知っているから、余計に心配になる…。

暫くしてから、ブレイズゲートに向かう事にした。何と無く…


「やぁーっ!!!」

炎を纏った日本刀を一閃すれば、煙のように眷属は消える。
ブレイズゲートに潜って、波打つ感情を刀にのせ、ただただ振るう。
八つ当たりに近いのは確か。

何度も何度も潜っては休憩をし、また潜る。
繰り返して何時間だろう…。
遠くの方が明るくなってきたから、そろそろ夜明けかなと思いつつ
近くの木に寄りかかると、ズルズルと座り、
倦怠感と眠気にいつの間にか身を委ねていた……。

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HN:
葛葉・有栖
年齢:
28
性別:
女性
誕生日:
1995/09/16
職業:
武蔵坂学園所属灼滅者
自己紹介:
葛葉・有栖(d00843)
TW4「サイキックハーツ」のキャラ。
ファイアブラッド×殺人鬼の18歳
今は日本刀使い



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